子育てにもやさしい浦安市|地域の歴史を知ろう!
東京都江戸川区に隣接しており、JR京葉線、東京メトロ東西線などの路線を使うと千葉県の玄関口ともなっている浦安市。
今は解体されましたが浦安駅そばには浦安魚市場がある程、昔から漁業の盛んな街としても有名です。
また、子育て環境や福祉制度も充実しているという観点から、様々な世代が住みたいと思う人気のエリアですよね。
そんな浦安市ですが、浦安市の一部地域は埋め立てによって造られた街というのはご存知でしょうか。
元々は海だった場所を埋め立てによって地面を造った場所があるのです。
今回の記事では、浦安市の埋め立て事業の歴史を深掘りしていきましょう。
浦安村誕生秘話

千葉県で住みたい街とアンケートを取ると、常に上位に名を馳せているのが浦安市。
都心へのアクセスも良好で交通の便が良いのはもちろんですが、かつて漁村の町である名残りが随所に残されています。
一方、国道357号を挟み海側は新浦安地域。
駅前から海の方へ延びるメイン通りには南国リゾートを思わせるような街並みと綺麗な高層マンションやリゾートホテルが建ち、道路も広く豊かな暮らしを想像させるような街づくりになっています。
そんな浦安市は、言わずと知れた埋め立て地域。
埋め立て事業が開始されたのは昭和40年の頃。日本が第二次世界大戦に入る最中の頃ですね。
この埋立土地造成事業によってかつて漁業のイメージの強かった浦安村は一変しますが、まずはその前の浦安村だった頃に遡ってみましょう。
堀江・猫実・当代島の合併|浦安村誕生
旧江戸川の分流で浦安市を縦断し、東京湾へ流れている境川。境川を挟んで猫実村と堀江村(どちらも現浦安市)と当代島村(現浦安市当代島)の3村が存在していました。
明治22年の町村制によって3つの村が合併し、浦安市の前進である浦安村が誕生しました。
浦安という村名の由来は諸説ありますが、かつての日本は「浦安の国」と称されてきたことからと言われています。
浦安の国とは、大和の国の美称であり、心安らぐ国、平和な国という意味が込められています。
当時の人口は5946人程度の小さな村で、現在も浦安の名産品である海苔の養殖が盛んだったとされています。
しかし、当時の人々がどのように生計を立て、暮らしていたのか確かなる資料はありませんでした。
浦安村から浦安町へ
その後、大正、昭和と海苔の養殖を皮切りに、貝類の加工など水産物加工も盛んに行われてきました。
海と川に囲まれた浦安は魚介類に恵まれたため、境川には漁船の停留所として使われてきたほどです。
この頃の時代は明治42年、漁師町の浦安町として発展してきた頃です。
しかし、海と川に囲まれた地形ならではの災害に度々見舞われたのも事実です。
大正6年に来襲した高潮による大津波では、大潮、満潮、台風が重なったことも相まって壊滅的な被害を受けました。
夜中2時過ぎに2度に渡る大津波が人々を襲い、死者44名、負傷者115名、当時の浦安町の全戸数の約98%が浸水し、浦安全土が水浸しになったとされています。
埋立土地造成事業開始
明治から昭和まで漁業が盛んで溢れるほどの貝類を獲ることができた浦安町ですが、昭和33年にある事件がのちの浦安を今のベッドタウン、大型テーマパークのある有名な街へと発展させる出来事がありました。
江戸川区にある製紙工場によって江戸川に悪水が放出され、魚介類が大量に死滅し、江戸川の水質が汚染された出来事です。
水の汚染の深刻化と工業地帯の土地造成事業による埋め立てが進行していることがきっかけとなり、浦安町は昭和37年漁業権の一部放棄を決定します。
昭和39年より埋立海面事業が本格化され、埋立事業が第一期、第二期が全て終了したのは昭和55年のことになります。
現在の浦安の一途を辿る
土地造成と同時に住宅宅地造成も進行していたこと、また昭和44年3月地下鉄東西線(現:東京メトロ東西線)が開通し浦安駅が開業します。
この頃から都心部でも鉄道を利用することができる利便性や東京に近いことから、ベッドタウン浦安として都市化が進行しました。
また鉄道だけではなく、首都高湾岸線も昭和53年に一部開通。車でのアクセスも相まって人口は上昇の一途を辿ります。
そして昭和56年4月1日に市政施行を果たし浦安市が誕生します。
まとめ

豊かな海と川によってかつての浦安に住んでいた方々はその土地の特性を活かし、漁業を盛んに浦安の基礎をつくり上げてきました。
製紙工場の悪水という事件をきっかけに漁業権の一部放棄、その後全面放棄、海面埋立事業の協力など、今の浦安市が発展を遂げたのは、かつて浦安をつくってきた人々の選択があってこそですよね。
また、あの大型テーマパークがなぜ浦安市に招致したのかも次回のコラムで追っていきたいと思います。
さらに、浦安市は独自の子育て支援に力を入れている街としても有名です。
例えば子ども医療費や幼児教育施設、保育施設の一律無償化など何かと入り用の多い子育て世帯にとって手厚い支援制度を設けています。
子育て支援制度についても今後コラムで紹介していくのでご期待ください。