家探し成功のカギは不動産仲介会社の特徴を理解すること

住まい探しのパートナーである不動産仲介会社は、希望条件に近い物件情報を探し、家探しのアドバイスから、ノウハウまで教えてくれる存在です。
もちろんその関係性は、顧客と業者の間柄はもちろですが、それだけでは最高の家を探し出すことは難しいでしょう。
あなたがどうしてこの条件を希望しているのか背景がわからなければ最善の提案はできません。
その背景を知り得る関係性が顧客と不動産仲介会社の間には必要になり、そこには「信頼関係の構築」が大切なのです。
一番ベストな関係性は、
「何らかの事情で買い替えをすることになったとき」
「何年も経過し家族が独り立ちするとき」
に、同じ不動産仲介会社に相談したいと思えることです。
全国の不動産仲介会社の数は約12万8千業者と年々右肩上がりであり、数多い不動産仲介会社の中から唯一の存在を探し出すのはなかなか困難なことです。
だからこそ、私たちは住まい購入の第一歩になる不動産仲介会社選びは慎重に、時間をかけてもらいたいと考えるのです。
これから住まい探しの行動を起こそうと考えているなら、ぜひ最後まで読み参考にしてください。
目次
それぞれの不動産仲介会社には特徴がある
不動産仲介会社も各社独自のサービス展開を広げており、買主としては「この差は何だろうか」と疑問に思うこともあるでしょう。
例えば、「仲介手数料半額キャンペーン」と一方の不動産仲介会社には記載されているが、別の不動産仲介会社には「仲介手数料100%」と書いてあるという経験はないでしょうか。
そんな差を発見してしまうと、気がかりが残ってしまい、心配が後をついてきますよね。
仲介手数料は、宅地建物取引業法上で定められている上限が決まっており、実際はその上限を超えなければ仲介手数料額の調整ができます。
お客様向けのサービスとして半額をうたっている業者もあれば、不動産仲介会社が売主物件で0円という物件もあるのです。
しかし、1つだけ大前提としてお伝えしたいのは、目先のメリットだけではなく、不動産仲介会社の組織全体を見る力を養うべきだということです。
さまざまな種類の不動産仲介会社が全国で開業しているため、まずは3種類に分類した不動産仲介会社の特徴を押さえましょう。
不動産仲介会社は3種類に分類できる
不動産会社の種類 | 特徴 |
財閥系大手不動産会社 電鉄系大手不動産会社 | 全国展開が強みになり、基本的にどのエリアでも仲介可能。 営業担当者の教育にも力を入れており、会社全体で研修制度も充実。 |
地域密着型中小不動産仲介会社 | 長年地域に根付いている不動産仲介会社のため、地主との人脈が強い。 そのため、希少価値の高い物件情報がどこよりも早く得られることもある。 |
地域密着型仲介+リノベワンストップ不動産会社 | 購入とリノベーションを1つの不動産会社に依頼できる。 |
大きく分類すると3種類に分けられます。
それぞれの利点や課題点を理解しておき、まずは候補の不動産仲介会社を絞っていきましょう。
財閥系・電鉄系不動産仲介会社
多店舗展開を積極的に行っている大手不動産仲介会社は、ネームバリューだけでも信頼感を持つことができますが、有名というだけで選ばず、どのような特徴を持つ組織なのかをしっかりと理解しましょう。
情報力に長けている
2章の種類別の表にも触れていますが、圧倒的な店舗数は営業エリアも広くカバーしています。
また、物件情報の数も多く、店舗同士間でネットワーク共有しているため、情報量の数も充実しています。
<h3>3−2:絶対的な安心感がある</h3>
コンプライアンスや研修制度が充実しているため、従業員1人1人の接客レベルが高く丁寧な対応です。
また、取引が終了したら終わりではなく、アフターサポートやフォローの体制が整えられており、購入後に何か不具合や疑問があれば連絡できるのはメリットの1つです。
フォロー体制が万全
中古物件は、引き渡し後に不具合に気づく場合もあり、契約上は引き渡し後3ヶ月以内は売主責任とされます。
大手不動産仲介会社では、独自の期間を設けているため、アフターフォローは安心できるでしょう。
地元に精通しきれていない
大手不動産仲介会社も一般の企業と同様に配置転換や転勤が一定の年数毎に行われます。
だからこそ、転勤の多い時期に突然担当者が変更になるという事例もよくある話です。
新たに赴任した担当者は、これから地域の情報収集を行うため、不動産会社だからこそ知り得るコアな情報は把握しきれていない可能性があります。
柔軟な対応が難しい
トラブル対策のため、細かくマニュアル化されいるのは、店舗毎に対応の差が生まれないためといわれています。
基本的に、マニュアルに沿った方法が徹底されているため、一担当者での判断が難しく、上長の承認待ち状態が長く続くケースもあるでしょう。
地域密着型中小不動産仲介会社
いわゆる、街の不動産屋さんという認識を持つ地域密着中小不動産仲介会社は、他の種類の不動産仲介会社と違い、「ならでは」の特徴を多く持っています。
何世代も続く不動産仲介会社もあれば、オーナー業も兼業しながら仲介も同時に行っている不動産仲介会社もあります。
総じて、各特徴を紹介するので参考にしてください。
独自のネットワークで情報が早い
独自の情報ネットワークを持っているため、その地域の地主との情報網が広いのは地域に根付いている不動産仲介会社ならではの特徴です。
長きに渡り経験豊富な社長自らが営業も兼任している場合もあり、まだ公開していない物件情報などはどこよりも早く先取りしています。
大手不動産仲介会社も、地域の情報を知り得るために地域密着不動産仲介会社とのネットワークを強化する動きがあるほど情報力に優れています。
創意工夫をしている
不動産IT化が進んでいる昨今、地域密着不動産仲介会社でもIT化を強化し、業者によってはさまざまなツールを駆使しながら、先端を切っている業者もあります。
売買契約もIT化で対応できるようになったり、コロナ化でのオンライン内見やSNSの活用なども積極的に取り入れ、様々な創意工夫をしています。
また、担当者一人一人の自由が利きやすく、顧客に合わせた提案や、細かい要望に答えるべく努力を惜しみません。
中小企業ならではのサービスで、顧客一人一人と向き合ってくれるのは嬉しいポイントです。
柔軟な対応ができる
地域密着不動産仲介会社は、組織そのものがコンパクトなため、小回りが効くことも特徴です。
柔軟な対応ができ、かつフットワークも軽いため、満足感が得られるケースも多いでしょう。
スタッフの人数も少人数制なので、従業員とトップとの距離が近く、風通しが良いのも好転の1つです。
社内の承認作業が少なく、担当者が決定権を持っていることもあるため、臨機応変に動きやすいのです。
エリア問題
特定の地域限定で活動しているため、エリア外での情報や抱えている自社物件が少ないことがあります。
エリア外では自社の取り扱い物件が限られており、公開されている物件情報を元に顧客へ紹介するため、細かな物件情報や内見のアポイントの回答など、必要な情報を確保するまでにロスタイムが発生する場合があります。
地域密着型仲介+リノベワンストップ不動産仲介会社
他社との差別化を図るため、不動産業界でも新たなジャンルである「仲介+リノベーション」を1社で請け負うワンストップ不動産仲介会社が増加しつつあります。
仲介業務は請け負うが、リノベーションまで手がけている不動産仲介会社はまだまだ数少ないため、リノベーション前提で中古物件の購入を求めているのであれば、ワンストップで手がけている実績のある不動産仲介会社がベストでしょう。
最終的に複数の不動産仲介会社に相談に行く
買主としては大変ですが、ホームページや不動産情報サイトで情報を集め、その後、複数社へ実際に足を運び、店内の様子や担当者との相性などを対話で見極めることで、本当に信頼できる不動産仲介会社、担当者に出会えます。
物件探しが長期化になることもあるため、長い付き合いのできる不動産仲介会社を探すためにも、複数社相談に行く時間を惜しまないようにしましょう。
さいごに

不動産仲介会社選びは、住まい探しにとって重要な位置付けになります。
総合的な目線が必要になりますが、
- ネームバリューだけで選択しない
- 不動産仲介会社のタイプ別を見比べる
- 複数の不動産仲介会社に実際に行く
上記の3点に気をつけ、本当に信頼のできるパートナーに出会えることが出来たら幸いです。